経営に関係ないあらゆる立場を経験した私から、教材のメリット・デメリット両方をお伝えします。
公文の先生の話は月謝を払う保護者にとって耳障りの良いメリットばかりになりがちです。対して私はメリット・デメリット両方をお伝えします。だって私に一番大事なのは、我が子の成績があがるかどうかの一点だけですからね。
プリントの内容と、学校の教科書との対応表は、各教科毎のメリット・デメリットの後に、KUMONの公式サイトのリンクを載せてあります。よかったらご参照ください。
全教科共通
自学自習の力をつけるのが公文本来の最終目標。「教えてくれない」は当たり前。
先生がろくに教えてくれないみたいで困るのよね…。
新しい単元に入ると、必ず最初に簡単な例題が載っています。例題を見て自分自身の力で規則を発見することで、本来なら大人が説明しなくても一人で解けるように作られています。
どの教科も、まずスタート地点を決めるテストをしてから開始しますので、難し過ぎたり簡単過ぎたりせず、自分にぴったりのところから始めているはずです。その上で、例題を読み解いて自分の力で進んでいけるような作りになっています。
やる気がないわけではないのに教えてもらわないと解けないのは、問題文を読み解く国語力が追い付いていないか、その前の段階で既に曖昧な単元があるのに進んでしまっているかのどちらかです。
先生に頼んで自力で解けるところまで戻るのが一番効果がありますよね。
一人で解けるような自学自習の力を付けるのが公文教材本来の目的なので、「先生が教えてくれない」は的外れもいいとこなのさ!
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自分で考える習慣がつけば、思考力もついてくる。
作業になっていて思考力がついていない気がするんだよな…。
常に、隅々まできちんと読んで、自分で考えて解答していれば、まず考える習慣がつきます。
考える習慣がついたらしめたもの!自然と思考力もupしますよ。逆もまた然りですね。
「思考力がつかない」ともよく言われます。半分正解で半分不正解です。
例題から自力で推察するのを面倒くさがり、楽をするためにすぐに規則に当たる部分や答えを教えてもらってしまう子が相当数います。答えそのものを丸暗記していて、全く読まずに答えを書いている子も相当数います。全く考えなかったら思考力がつかないのは当たり前ですよね。
例題から自力で推察する子は、新しいことが出て来る度に熟考することで考える習慣がつきますので、結果として相応の思考力はつきます。
とは言っても、小学校入学前のお子さんが一人でできるようになるまでは、嫌にならないように大人がうまいこと誘導する必要はあります。
週2回教室で勉強するという強制力を伴わない「宿題」をやるには時間と気持ちに余裕のあるご家庭であることは必須です。
東大生に元公文生が多いのは、自分で考え自分のペースでどんどん先に進む、自学自習という勉強法がぴったり合っていたからなのでしょうね。
どうしても先生に教わることにこだわるなら、自学自習の力をつけるのが最終目標の公文にはそもそも合わない!公文以外を探すことをおすすめする!
受験情報は皆無。あるのは保護者からの伝聞のみ。
受験情報は得られません。指導者からの情報は、全て保護者から聞いた話の伝聞だと思って差し支えないです。受験情報を得たいなら、公文以外を探してください。
算数・数学
※参照※KUMONオフィシャルサイト『学校の教科書と公文式教材の関係(算数・数学)』『公文式算数・数学教材の一覧』
何歳から始めても高校数学以上まで用意されているのは公文だけ
公文は数学から始まったのは有名な話なので、ご存じの方が多いと思います。公文創始者である数学者の公文公(くもんとおる)さんが、ご自身の息子さんが高校数学でつまずかないよう、自分一人でできるようスモールステップで、手書きで問題を作ってあげていたところから始まりました。
そう。要は高校数学なんです。なので図形・文章題がほとんどありません。2年生(B教材)、3年生(C教材)、6年生(F教材)にあたる教材、連立方程式に、“意外と難しい文章題”が、中3(I教材)に図形が何ページ分か用意されているだけです。高校数学、つまり大学受験時、単純な計算が早く正確に解けなければ、結局複雑な問題を時間内に解くことは不可能ですから、計算に特化されています。
高校数学の触りの部分までしかやらなかった私は、後々後悔しました。公文での「貯金」があったので、中学では授業を聞くだけで大丈夫だったのですが、高校に入って、公文でやっていなかった範囲からは『やっときゃよかった公文式』です。
小学生から中学卒業までに、高校数学まで用意されているのは、私が知らないだけかも知れませんが、例題を読み解く自学自習の公文数学か、授業動画が見られるスタサプ (=スタディサプリ)位じゃないでしょうか。幼稚園児でも高校数学ができるのは公文だけでしょうね。何年かに一人は幼稚園児で因数分解解くような子も現れますからね。更に公文に限っては大学課程まで用意されています
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英語
※参照※KUMONオフィシャルサイト『学校の教科書と公文式教材の関係(英語)』『公文式英語教材の一覧』
【発音】公文に限らず小さい頃から英語を始めた子はネイティブ並みになる
英語は、私が生徒だった時から物凄い進化を遂げています。当時英語は中学校からしかありませんでしたので、始めたのが小6と高年齢でした。しかもスタートは「I am Hanako.」「This is a pen.」。カーディーとか言う機械にカードを通して、学習が全て終わって、帰る前に聞くスタイルでした。その後長女が入ったばかりの頃のCDを経て、現在のEペンシル(イーペンシル)に至ります。
イーペンシルで発音を確認しながら問題を解くことができます。なので幼少期に始めて『該当する文字を見ながら聞けている』子は、例外なく恐ろしく発音が良いんです。
英語を知識としてちょっと知っている年齢になってから始めた子は、音より知識が先に来てしまうんですね。差は歴然です。
Eペンシルはゆくゆく英語の原書にも対応します。
ただ、まだそこまで必要ない発音だけに注力したい幼少期なら、公文だけにこだわる必要は全くありません。耳を慣らす為のインプットと、発音の為のアウトプットができる幼児英語教材は沢山ありますからね。
特に七田の音声タッチペン『しちだの魔法ペン』( 【快挙!】なんと日本文芸アカデミー賞受賞の英語学習法! )、形状と、テキストをタッチするところはEペンシルそっくりですが録音機能も付いていて自分の発音が確認できます。日本語の理解が進むまではこれで充分。
公文英語の、プリントでの文法学習に入る前段階は、Eペンシルよりむしろ七田の音声ペンの方が優秀かもしれません。
公文は幼児さんから小学生まで、1教科1か月で7,150円(東京都・神奈川県7,700円)かかります。更にイーペンシルは6,600円。
しちだの魔法ペンは、テキストの他、かけ流しCDなどもついて32,780円ですので4か月で公文の方が高くなります。幼少期に七田はかなりお得です。(いずれも税込)
先述したかけ流しCD、これがいいんですよ、本当に。
ディズニー英語システムは、資料請求でサンプルが貰えます。DVD(8曲)、CD(6曲)、CDに対応した絵本、ポスターと、結構豪華なんです。中3で英検2級を取った長女達も毎日使ってました、ディズニー英語システムのサンプル。
英語の歌をかけ流しておくだけなら生まれた時から使えます。今の公文英語は、かけ流せるCDがありません。大きなマイナスポイントですね。
【英文法・子供】始めるのは日本語の文法が理解できてからで充分
書くプリント教材に入って来ると、5枚単位で1つのテーマを学習できます。
5枚の中に必ずヒントが含まれているので、日本語が理解できるなら、一人で進められるようになっています。
例えば、『一般動詞・現在』
1枚目(聞くだけ)表面が日本語訳付きのちょっとした長文、裏面が主語によって動詞がどう変化するかが分かる例文。
2枚目以降は、動詞部分のみ選んで補充、1文並べ替え、1文丸々日本語を英語に、最後のページでまた同じ長文が読めるようになったか確認
…と、本当に良くできたスモールステップになっています。
ただ、聞かなくても解ける作りになっていますので、年齢が上がるにつれ、恥ずかしさも手伝ってか、聞かず、発音もせず進めてしまう子が増えて来ます。同じ頃から、ヒントを探せず(さず?)空欄だったり、めちゃくちゃな回答が増えて来る子もいます。
国語も併せて学習していて、国語がちょっと苦手そうだな…という子に多いですね。
低年齢で、「です・でした」「〜する・〜される」の違いがパッと分からないなど、日本文の文法が理解できていない子はブレーキがかかります。
英語を始めるのは、発音だけを考えると日本語が分からないうちからでもいいと思いますが、文法の範囲に入るのはある程度日本語が分かるようになってからの方が無駄がないので、お勧めです。
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【英文法・中学以降】基礎固めにはいい。文章の難易度が教科書より格段に劣る。
中学生になると、英文法の基礎固めにはいいですが、正直文章そのものの難易度が教科書に追い付いていない印象を受けます。
学校の英語の授業についていけない子は、まず基礎をしっかり固められるので、公文英語はもってこいです。簡単な短文で、英文法のパターンをしっかり繰り返し書いて体に覚えさせることで頭に叩き込めます。
学校の英語の授業に充分ついていけている子にとっては、自分の学年相応の部分では物足りなさを感じるでしょうね。学校の授業の予習のつもりで、文法を先取りして覚えておけるといいですね。
今の英語の教科書にはQRコードがついていて、新出単語や本文をスマホなどで表示しながら聞くことができます。英語の得手不得手や、公文英語をやっているやっていないに関わらず、授業前に最低でも三回位は聞いておくといいですよね。
高校範囲になってしまうと、色々な原作を読む方にシフトしていくので、文法を繰り返し書いて覚えることはしなくなります。文法部分の繰り返しが極端に減りますので、長文を読みたい人にはいいですが、文法をより詳しく学びたい人には公文英語は向かなくなります。
【英文法・大人】学び直しにお勧め
5枚で纏まっていて、難しくない短文を繰り返し書く公文英語は、大人の基礎英文法の学び直しに個人的お勧めNo.1です。
実際、お子さんと一緒に、英語だけ自宅学習する方が常に誰かしらいます。極稀にですが、教室に通う方もいらっしゃいます。
本当に良くできた教材…ということに、子供のうちに気付けてたら良かった…と、思わない日はありません。
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【英検】過去問や対策問題集を解いた方が合格率は高い
「公文英語は英検にいい」とも言われていますが、そうでもありません。
3級辺りまでは特にですが、英検は出る傾向・パターンが決まりきっています。
文法の基本をしっかり固めるのに公文は向いていますが、英検用には語彙が足りないように感じます。
英検独特の決まり切った言い回しは公文英語には出て来ませんので、英検の過去問や英検専用の問題集を解いた方がよっぽど合格に近道です。
公文の英語が進んでいなくても、極端な話、公文の英語はやっていなくても、過去問や問題集を買って対策をした子の方が合格率が高いです。逆に、不合格になるのは、公文の英語しかやっておらず、過去問などで対策しなかった子がほとんどです。
【英会話】公文単独でできるようにはならない。毎日レッスンができるDMM英会話がお勧め。
とはいっても、会話ができるようになるかと言うと話は別です。
公文英語は発音練習はしますが、しなければしないで問題は解けてしまうので、どうしても知識としてのインプット・アウトプットがメインになります。
そもそも英文法が分かっていないとまともな会話はできませんので、英会話に公文英語は全くの無駄かと言うと、そんなことはないですけどね。
『英会話』ができるようになりたい方は、英会話スクールに通ったり、英会話アプリで練習したりと、アウトプットする機会を作った方がいいのは間違いありません。
長女の高校選びの段階で私の母校の説明会にも参加しました。
なんと授業でDMM英会話を利用しているんだそうです。毎日レッスンがあるなら相当力がつきますよね。
DMM英会話だけになると通常の授業カリキュラムが終わらなくなってしまうので、授業前半の時間に数ヶ月間使い、その後続けるかは各家庭に任せていて、ほとんどの生徒が継続しているということでした。
毎年、東大合格者が1名いるかいないか程度ではありますが、全員大学進学が当たり前の進学校ではあるので、吟味に吟味を重ねて結果が出ると踏んだんだろうなというのは、校風を知る卒業生的に想像に難くなかったりします。
国語
※参照※KUMONオフィシャルサイト『学校の教科書と公文式教材の関係(国語)』『公文式国語教材の一覧』
縮約からが本番。古文漢文はテストにも出ることがある
国語は、中学2年生の範囲(H教材)から本格的な縮約が始まります。その前は、国語独特の答え方のルール、縮約の為の基礎を徹底して体に覚え込ませるといったところでしょうか。
『縮約』は国語力が絶対に必要で、国語力を伸ばすのも縮約ですので、公文の国語は、H教材の『縮約』からが本物の力がつくところになります。
その後の古文、漢文は、実は案外テストに出るんです。私も、高校受験の時に漢文が出た覚えがあります。長女も、先日、実力テストに古文が出たと言っていました。
国語は全ての教科の基礎になるのでやって損はない
国語力、英語だけでなく数学にも影響します。最近の例を挙げると、3ヶ月位まで算数E教材(小5)の大体同じところをやっていた2人がいたんです。国語が苦手なのが採点していても分かる小1の子、国語に苦手を感じない年長の子。前者の方が幾分進んでいたはずが、今はF教材(小6)、後者は既にG教材(中1)に入っています。
単純な計算だけだろうと、なぜそうなるのか、自分の言葉に変換して理解できる力があるのとないのでは、理解の度合いが全く違うんです。
国語ができると、全ての教科が自然とできるようになります。
Baby Kumon(ベビークモン)
※参照※KUMONオフィシャルサイト『Baby Kumonセット(2歳)』『Baby Kumonハンドブック(6ページ目に毎号のセット内容が載っています)』
産院や地域の子育てセンターの情報で、市販の絵本やCDを購入すれば事足りる
我が家も行きましたが、将来勉強ができるようになど早期教育を考えてのことなら正直お金の無駄です。
手遊びの仕方や子育て情報も、通院している産院や、お住いの市区町村で開催している無料妊婦教室や子育て教室の方がよっぽど情報量が多いです。
毎月2,200円も払うなら、その2,200円で市販の本やCDを買って、お住いの市区町村の無料教室で仕入れた方法を使い、読み聞かせやかけ流しをしていれば充分です。
ではなぜ我が家でベビークモンに行ったり、小さいうちから公文を始めたか。
ずばり、『人馴れするため』。嘘みたいですが、これ一択です。
我が家、田舎の山の中なんです。普段、近所のごくごく僅かなご老人達しか人間に会わない程度には。
我が子は、地域の子育てセンターでも、同年代の子や、母親・保育士さん世代の人に慣れていなさ過ぎて、私の膝から離れられない。公園に行けば、半径2メートル以上離れては遊べない子でした。幼稚園で絶対に困ると思い、入園前に、強制的に親と離れて面倒を見てもらえるシステム(ベビークモンが終わる3歳から)で、同年代の人間に慣れるために通いました。
おかげさまで、年中さんの時には親なしで2泊3日の某音楽室のお泊り教室に行き、バスを降りた瞬間に「また行きたい!」と言える位に人間に慣れることはできました。自分の家以外の環境に慣れさせる目的で通わせるのは、大いにアリだと思います。
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